今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
IV 産科における超音波診断─妊娠中・後期
[胎盤異常の診断]
4.その他の胎盤の異常
峰岸 一宏
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.708-711
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102361
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絨毛膜下血腫(subchorionic hematoma)
妊娠初期における絨毛膜下血腫は,その大きさが小さければ流産するリスクはあまり高くないことは広く知られている1).しかしながら,中期以降での発症例ではしばしば大きくなり,早産のリスクが増加するとされる2).図1は,妊娠18週における経腟超音波像で,胎盤の胎児側から連続する羊膜が子宮壁から遊離して,胎盤付着部近傍に血液と凝血塊が貯留していることがわかる(矢印).血腫内容は中等度および低エコー領域が混在しており,中輝度が比較的新しいもので低輝度が一定の時間が経過したものと考えられ,血腫が発生してからの時間が推量できる.
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