先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
重症合併症妊娠
腎移植後の抗免疫療法下における妊娠・出産の問題点
岡 隆宏
1
,
相川 一郎
1
Takahiro Oka
1
,
Ichiro Aikawa
1
1京都府立医科大学第2外科教室
pp.303-305
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207370
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腎移植は血液透析と比較して,多くの面で慢性腎不全患者の生活の質を宮しく向上させた。特に女性にとっての妊娠出産は,血液透析のもとでは非常にむずかしく,腎移植を行うことによって容易に可能になってきたといえる。
腎移植後の最初の出産を報告したのは,1963年Murrayら1)である。この時は免疫抑制剤が投与されていない一卵性双生児間の移植であった。それ以後,血縁苦をドナーとした免疫抑制剤が投与されている腎移植者の出産例2),死体をドナーとした腎移植者の出産例3)など数多くの報告がなされてきた。現在,腎移植後の妊娠例は全世界ですでに1,000例を超すとされており4),今後もその数はますます増加していくであろう。
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