明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 胎盤
Topics
胎盤に辺縁洞は存在するか
野田 起一郎
1
,
渡部 洋
1
,
下戸 洋治
1
Kiichiro Noda
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
pp.856-857
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207083
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ヒトの胎盤に辺縁洞(marginal sinus, marginal lake,Randsinus)が存在するが否かについては,古くより多くの議論があった。筆者は,かなり以前に10カ月胎盤をin situの状態(子宮壁に胎盤が付着したままの状態)で組織学的に検索する機会を持ったが,そのさい,いわゆる辺縁洞というべき所見をその全周にわたって確認することができなかったので,その存在にはかねてから強い疑問をもっていた。
辺縁洞に関する従来の論議を整理してみると,形態学的観点,絨毛間腔血流におけるその役割という機能面からの観点および辺縁洞破裂という病態に関する臨床面からの観点の3つの観点があるようである。
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