産婦人科医療--明日への展開 生殖内分泌学の進歩
婦人におけるホルモン測定値—その読み方と問題点:蛋白ホルモン
仲野 良介
1
Ryosuke Nakano
1
1和歌山県立医科大学産科婦人科学教室
pp.207-209
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206775
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序
Berson,Yalowら(1956)1),(1960)2)によってインスリンのラジオイムノアッセイが創案され血中の微量の蛋白ホルモンの測定が可能となった。さらに,Hunter,Greenwoodら(1962)3)(1963)4)(1964)5)によって,クロラミンTを用いた成長ホルモン(GH)のヨウ素化の成功が報ぜられて以来,この方法を応用して各種の蛋白ホルモンのラジオイムノアッセイが行われるようになり,内分泌学はあらゆる分野において長足の進歩をとげた。Bersonは不幸にして夭折したが,Yalowに1977年度のノーベル医学生理学賞が授与されたことは周知の事実である。
下垂体性ゴナドトロピン(FSH,LH)のラジオイムノアッセイはMidgley (1967)6)やOdellら(1967)7)らによって始められ,今日ではゴナドトロピン測定法の標準的手技として広く用いられているが,方法論上いくつかの問題点を内包していることも事実である。以下,下垂体性ゴナドトロピンのラジオイムノアッセイを行う上で,あるいは測定値を読む上での二,三の問題点について略述したい。
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