グラフ 胎児奇形の映像診断
無脳症
前田 一雄
1
,
津崎 恒明
1
,
加藤 一雄
1
Kazuo Maeda
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
pp.78-79
発行日 1983年2月10日
Published Date 1983/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206753
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無脳症(anencephaly)は胎児奇形のなかでも比較的頻度の高いもので,坂元ら1)によれば本邦では500〜1000の分娩に1例みられるとされ,Kurjakら2)が1974〜79年の6年間に超音波断層法によって出生前診断した胎児奇形122例中44例(36%)が本症であったという。
無脳症に限らず水頭症(hydrocephaly),脳・脊髄髄膜瘤(encephalo-myelo-menigocele)などの先天異常は,児頭や脊柱部に形態変化を伴うことが多いため各種映像診断が有用で,なかでも超音波断層法による胎児形態観察は各種胎児奇形の早期診断を可能にしている。本稿では無脳症を中心にその映像診断法について解説し,生化学的補助診断法についても述べる。
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