臨床医のプライマリ・ケア 婦人科疾患と新しい診療術
プライマリ・ケアに必要な基本手技とその診かた・1
コルポスコピー
長谷川 寿彦
1
Toshihiko Hasegawa
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科
pp.617-619
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206670
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子宮頸部病変の診断には細胞診,コルポスコピー,狙い組織診があり,この三者の併用により正確な診断が可能になることは広く認められている。三者の上手な利用が理想的であっても,現実の一般外来診療としては必ずしも常時理想的方法を行なうことは困難である。その理由として,多数の患者を扱う外来では一人一人に多くの時間をかけて検査することが難しいこと,コルポスコピーにおける一般的理解が低いことなどがあげられる。コルポスコピーと細胞診を比較すると,細胞診診断は細胞検査士と細胞診診断医が行なうが,コルポスコピー診断は臨床医がその場で所見を読み取りながら行なうもので,所見の出し方の上手下手が診断に大きく影響する。コルポスコピーに慣れないと,この所見を出すのに時間がとられ,患者一人あたりの検査時間が長くなるが,慣れてくると正常か異常かを区別し,異常所見があれば時間をかけ観察するようになり,一人あたりの時間を短縮できる。上手なコルポスコピーのための基本手技と診断の際の注意事項について述べる。
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