症例
未分化型Arrhenoblastomaの1例
塚崎 克己
1
,
野沢 志朗
1
,
宇田川 康博
1
,
永井 荘一郎
1
,
太田 博明
1
,
栗原 操寿
1
Katsumi Tsukazaki
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.450-455
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206448
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Arrhenoblastomaは腫瘍の産生する男性ホルモンのために成熟婦人に奇異な男性化徴候をもたらすきわめてまれな卵巣腫瘍である。1905年Pickにより初めて報告され,1930年Andreioblastomaの名称でMeyer R.1)がこの一群の腫瘍に関する総括を行なって以来,数多くの報告があるにもかかわらず,その名称ならびに本態に関しては,今はまだ一致した見解はなく議論の分かれるところである。今回われわれは,著しい男性化徴候を認めた未分化型Arrhenoblastomaの1症例を経験したので,臨床経過,組織所見に文献的考察も加えて報告してみたい。さらに同腫瘍の培養を行ない,いささかの知見を得たので,あわせて報告する。
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