FIGO TOPICS 私が感銘を受けた講演
免疫不妊に関する頸管粘液抗体/卵管不妊手術のフィルム
須藤 寛人
1
1新潟大学医学部産婦人科学教室
pp.71
発行日 1980年1月10日
Published Date 1980/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206184
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Local Lmmune Infertility
総合セミナーの不妊の部で,デトロイト大学のMog—gissi教授が免疫不妊症に関して,とくに頸管粘液抗体について話された。教授は"The Cervix"の編者であられるが,免疫に関しては比較的最近興味が向かわれた研究者で,詳細な臨床不妊検査データと不妊原因を明らかにする一方,血清精子凝集テスト,同不動化テスト,頸管粘液抽出液を用いたKremer testおよび微量粘液抽出液・精子不動化テストを行なったデータを比較検討し,相関関係のある項目を求めた。全不妊患者の15.2%に微量粘液・精子不動化テストは陽性であり,Huhnerとの相関が認められた。血清精子凝集テストは,Kibrick testを用いており,原因不明不妊症婦人群に多いという,今まで多く発表された結果とほぼ一致していた。血清精子不動化テスト陽性者と頸管粘液抽出液・精子不動化テスト陽性者との間に,相関が認められなかったことから,頸管におけるlocal lmmunityが存在するであろうと結論されていた。しかし,局所陰性・血清陽性,局所陽性・血清陰性という現象の起こる理由の説明は不十分で,この辺に精子免疫学の確立していない部分があると思われた。
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