トピックス
月経困難症に対するメフェナム酸の臨床効果
田部井 徹
1
1国立病院医療センター,産婦人科
pp.640
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206089
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月経困難症は,原因のはっきりしない機能的障害と思われる原発性と子宮筋腫,子宮内膜症,骨盤内の炎症癒着などの器質的原因によって起こる続発性とに大別される。器質的な場合にはその原因を外科的に除去すると,疼痛などの症状が緩和することが多い。一方,原発性月経困難症とくに疼痛などに対しての治療は,ピリン剤,ブスコパンなどの鎮痛鎮痙剤あるいは非ステロイド系消炎鎮痛剤を投与する。また一般に無排卵性月経は疼痛を伴わないので,月経困難症患者にエストロゲンやゲスターゲンなどのホルモン剤を投与し,排卵を抑制すると疼痛が緩和する。
月経困難症の疼痛は,プロスタグランディン(PG)を投与したときにみられる子宮収縮による疼痛とよく類似しており,子宮内膜の全面掻爬により消失することが多い。さらに月経困難症患者における子宮内膜のPG濃度および血中の代謝物濃度は正常婦人より高値を示し,とくに子宮収縮に関係の深いPGEおよびF2αの子宮内膜濃度は分泌末期,月経期の方が増殖期に比べて高い。以上のような一連の事実から月経困難症の発生と子宮内膜におけるPGEおよびFとの関連性が示唆された。
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