症例
腟細胞診より推測し得た比較的早期卵巣癌の1例
落合 和彦
1
,
伊藤 良彌
1
,
寺島 芳輝
1
,
大高 東皓
2
,
福島 和夫
2
,
高野 利典
2
,
岡崎 孝江
3
,
岩本 和子
3
Kazuhiko Ochiai
1
,
Toko Otaka
2
,
Takae Okazaki
3
1東京慈恵会医科大学第一産婦人科学教室
2茅ケ崎市立病院産婦人科
3茅ケ崎市立病院病理検査室
pp.641-645
発行日 1979年8月10日
Published Date 1979/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206090
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一般に腟細胞診のうえで卵巣癌細胞を認めることはまれであり,またその報告例も少ない1〜9)。増渕5)をはじめとして,諸家の報告を見ても,腹水の貯溜した例や,進行癌の場合が多い点を考慮すると,腟細胞診上,早期卵巣癌の発見は不可能のように思われる。しかしながら,今回われわれは,肉眼的に腹水貯溜を認めず,片側卵巣内に限局した,いわゆるStage Ia卵巣癌と推定された症例において,腟細胞診上卵巣癌細胞を認めたので報告する。
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