新しい視点をさぐる 性差
性差よりみた腎疾患
木下 康民
1
,
大森 浩之
1
,
池田 敏明
1
Yasutami Kinoshita
1
1新潟大学医学部第2内科
pp.123-126
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205778
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腎疾患には腎に原発するものと,他臓器疾患に続発するものとがあるが,腎疾患全体からみるともちろん前者が多い。
妊娠中毒症はいうまでもなく婦人に特有なものであり,これについては読者の方が十分御存知であるため省略する。その他の性差をもった腎疾患としては,腎原発性のものでは腎盂腎炎があるが,他の疾患にはまず性差のみられるものはない。しかし,他疾患に続発し,腎に変化をきたすものの中にはいくつかをあげることができる。これらはWegener肉芽腫を除くといずれも原疾患が女性に極めて多い疾患である。すなわちSLEにおけるlupus腎炎,強皮症における肺病変,Sjogren症候群における腎病変,Wegener肉芽腫症の腎病変,大動脈炎症候群における腎病変などである。
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