新しい視点をさぐる 性差
性差よりみた循環器疾患
富田 籌夫
1
,
安田 寿一
1
Kazuo Tomita
1
,
Hisakazu Yasuda
1
1北海道大学医学部循環器内科
pp.113-117
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205775
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心臓あるいは循環器という臓器は,本来,性による差はないはずである。しかしながらそれらの病気についての統計をみると若干の性差が認められる。なぜそのような差が存在するのか,心臓自体に要因があるのか,あるいはまた思春期,妊娠分娩,産褥,更年期といった女性生活史での神経内分泌環境の変動や出産,育児に伴う生活環境や身体的負荷などの変化,あるいは遺伝・体質などの諸因子が疾患の発症や病像の進展に影響を及ぼすのかその詳細は不明である。
本稿では,女性に多くみられるいくつかの循環器疾患について,男性との相違を疫学,病像,病因などの面から検討を加え,診療の要点について述べてみたい。
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