特集 妊娠時の生理--その適応と異常
Ⅰ.システムの適応
皮膚系
嶋 多門
1
Tamon Shima
1
1弘前大学医学部皮膚科学教室
pp.963-965
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205711
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妊娠とは,ある一定期間に限定された生理学的変化を示す,一つの正常状態であるといえる。その生理学的変化は,主として内分泌環境の変化によって生ずる解剖学的,生化学的,生理学的変化の集積されたものである。
このことは,皮膚という一つのシステムにおいてもあてはまる。皮膚の生理的機能は,表皮(角化とメラニン色素形成),表皮付属器(毛,汗腺,脂腺),真皮結合織,血管系など皮膚を構成する諸要素の総合的機能であるが,妊娠は,これら諸要素に対して,種々の形態学的または機能的変化をもたらし,妊娠時に特有の皮膚変化を生ずる。
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