特集 妊娠時の生理--その適応と異常
Ⅰ.システムの適応
循環系
竹村 晃
1
Hikaru Takemura
1
1大阪大学医学部産科婦人科学教室
pp.932-937
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205704
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妊娠に伴って,他の生理事象では考えられない程著明な循環動態の変化が,妊婦全身にみられることになるが,これはやはり図1に示すごとき妊卵胎児の急速な発育と,それを支える全身的な代謝の亢進のために,血液潅流量の増大が必要とされることによると考えられる。しかるにこの血液潅流量の増大は主に1)血液量自体の増大,2)心拍出量の増加,および3)血管系の変化の三つによっているので,以下これらについて順に詳述する。
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