臨床メモ
胎便と陣痛
竹内 久彌
1
1順天堂大学産婦人科
pp.385
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205419
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分娩時における胎便の意義としては,良く知られているように,頭位分娩の際のこれの排泄とfetal distressとの関係であろう。しかし,Seppäläら(Amer.J.Obst.& Gynec.114,788,1972)は陣痛発来中の胎便中に多量のoxytocinが含まれていることを見出し,その作用に興味をもつたのである。
今回彼ら(Acta Obst.& Gynec.Scandinav.54,209,1975)は胎便を排泄した場合と,そうでない場合との分娩時間についての検討を行なつている。すなわち,破水時に羊水が緑色を呈する胎便排泄群495例と,そうでない対照群495例の合計990例の分娩所要時間を,初経産別に調査した。これらの例はすべて自然分娩例であり,在胎週数,生下時体重,身長,頭囲の点で同じ平均値をとるものを対照群にとつてある。
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