小特集 東洋医学とハリ麻酔
産婦人科領域とハリ麻酔
蠣崎 要
1
Kaname Kakizaki
1
1がま産婦人科
pp.763-770
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205097
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中国の針麻酔は,世界中に一つのブームを作つた。このブームはまた,日本の医療従事者たちにも針の認識を新たにしたことも事実である。しかし,西洋医学とまつたくことなる東洋医学の理念から出発し,社会体制や経済体制のちがう社会に生まれた針麻酔を,そのまま西洋医学の場にとりこんだ結果,日本のみならず,西独でも多くの失敗を生み,多くの疑問を残したことも事実である。しかし,このブームは,若干,針の経験があり,経絡現象に関心のある著者には,いままで充分理解できない生体のもつ未知のメカニズムを,針麻酔という手段を通じて探索する可能性のあることを示してくれた。
針は,周知のように針麻酔だけの手段ではなく,その広範囲にわたる施療手段のごく一部に過ぎない。むしろ針には,西洋医学治療の適応からはずれているような疾患や,症候群に対して,ちようどそれを補うような効果が期待できる。
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