指標
小児期・思春期における婦人科学
岩崎 寛和
1
,
植村 次雄
1
Hirokazu Iwasaki
1
,
Tsuguo Uemura
1
1横浜市立大学医学部産婦人科学教室
pp.487-495
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205056
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近年の胎児学(または出生前医学)および新生児学,あるいはまた周産期医学の進歩は目覚ましく,これに関する報告や記載は多い。一方思春期は性成熟期の前過程として,肉体的ならびに精神的発育の著明な時期で,その管理には多くの問題があるので,基礎的ならびに臨床医学的に多大の関心をもたれているばかりでなく,社会医学的にも記述は限りなくあるといつても過言ではない。
ところが上記2期の中間に相当する乳児期から幼少女期にかけては,後述するように性ホルモン的に全く未熟な時期と考えられ,また異常の発生頻度も比較的少ないので,婦人科的関心はきわめて薄く,大部分は小児科医の手に委ねられてきた。著者の1人岩崎は昭和45年以来,神奈川県立こども医療センターの嘱託医として,きわめて短時間ではあるが,小児の婦人科的異常の相談および診療に携わり,その実態を見聞する機会を得つつあるが,その結果この領域に対する婦人科医の認識の少なさを痛感するに到つた。
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