特集 プロスタグランディン
プロスタグランディンの薬理
寺木 良巳
1,2
Yoshimi Teraki
1,2
1大森赤十字病院産婦人科
2昭和大学医学部第一薬理学教室
pp.563-564
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204846
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現在prostaglandinの臨床的応用が可能と思われるのは子宮に対する収縮作用である。妊娠への薬剤投与は母児ともに影響を受けやすいので,その適用に際しては子宮収縮剤としての効果はもちろんのこと,母児双方に対して安全であることがのぞまれる。prostaglandin (以下PG)はoxytocin(以下Oxyt)に比し抗利尿作用がないので妊娠中毒症などに有用であるとの意見もあるが,一方PG類によつて血流の変化,血圧,温度の変化,嘔吐,下痢,炎症などが用量によつては一過性にみられることも事実である。これらのことから今回PGの基礎的な検討を行ない本薬物の性質を明らかにするとともに,animal pharmacologyの結果はhuman pharmacologyにおいても十分参考とされ,臨床的事柄をより理解する上に役立つものと考えられる。以下薬理学的立場より検討した結果について報告する。
まずラット摘出子宮に対するPG,Oxytの作用についてエストラジオール処理のラット摘出子宮についてマグヌス法により調べた。各種薬物の効果は図1に示すごとく用量反応曲線上,Oxytがもつとも強く0.5ng/mlより作用発現がみられ,ついでPGF2α,E1,E2の順であつた。
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