薬の臨床
S-804の更年期障害に及ぼす臨床的効果
井上 公男
1,2
,
呉 万類
2
Kimio Inoue
1,2
1大阪市立桃山市民病院産婦人科
2大阪市立大学
pp.1257-1269
発行日 1971年12月10日
Published Date 1971/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204537
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まえがき
更年期は女性のライフ・サイクルでみて,およそ45歳から55歳の期間を指し,成熟期から老年期に移行する一過に相当し,この時期に一致して起こる一連の不定愁訴群を更年期障害と呼んでいる。
これは女性初老期における精神的,肉体的病態に基く多彩な老化現象の部分現象であつて,その病像は自律神経障害,精神障害,および代謝障害から形成されるが,その殆んどが自律神経症状であるため,九嶋は更年期障害は「更年期に現われる自律神経症候群を主とする症患」であると定義しており,たとえば特称のある更年期出血,更年期高血圧,更年期うつ病などは別扱いにすべきであると唱えている。
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