特集・Ⅱ 産婦人科形成手術・Ⅰ
S状結腸利用造腟術
秦 良麿
1
Yoshimaro Hata
1
1岩手医科大学産婦人科
pp.1141-1148
発行日 1971年11月10日
Published Date 1971/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204522
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造腟術の第一の目的は性交可能な永久性のある腟をつくることであり,しかもその腟はできるだけ自然にちかいものであることがのぞましい。さらには手術が手技的にも繁雑でなく,また術後障害のない方法がよいわけである。そこでもつとも自然にちかいという点では腸管とくに大腸すなわち直腸またはS状結腸を利用することが得策であろう。
そして直腸法についてはわがくににはすでに中山法というすぐれた術式があり,ひろくおこなわれてきたし,著者もこの手術をおこなつた経験をもつている。ところがこの方法の唯一の欠点は,程度の差こそあれ術後の排便障害をさけえないことで,そのために患者はあらたな苦痛になやむことにもなりかねない。
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