特集 人工妊娠中絶術
吸引法による人工妊娠中絶の実際
大村 清
1
Kiyoshi Ohmura
1
1大村医院
pp.517-523
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204419
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.はじめに
早期人工妊娠中絶術(流産手術も含む)は開業医にとつて,もつとも多く用いられる手術であり,その術式はほとんど完成されたものとなつていた。すなわち子宮腟部の固定→ゾンデ挿入→頸管拡張→胎盤鉗子による内容除去→キューレットによる掻爬という順に器械を使用して操作を終了するものである。
しかし,昭和30年,佐々木が牽引法を考案し,その後紀平など,2〜3の発表があつたが,広く使用されるまでには至らなかつた。昭和40年に東京オペグループ(以下T.O.G.と略す)の杉山,野田,関などは,従来の吸引法に改良を加え,大村はこれをスーパーサクション(以下Suc.と略す)と名づけ(図1),試用した結果,従来の胎盤鉗子,キューレット法よりも,はるかに良好な成績が得られた。その後,Suc.による吸引法は広く一般に使用され今日に及んでいる。今回,Suc.について,器械の簡単な説明と,実際の使用に際しての注意点について述べみたいと思う。
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.