特集 人工妊娠中絶術
人工妊娠中絶の麻酔管理
田中 亮
1
Ryo Tanaka
1
1北里大学医学部麻酔科
pp.527-532
発行日 1971年6月10日
Published Date 1971/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204420
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はじめに
人工妊娠中絶術(D&Cと略する)は一般に短時間の産婦人科学的手術であるが,その適応,術式,予後などを考慮すると危険度の高い手術であろう。D&Cが単にminor surgeryであるという理由で麻酔管理はラボナール静注により簡単に済ませてよいものではなく,大きなリスクが介在することを実地医家はすでに体験されていると思う。筆者ら教育機関で勤務する麻酔科医はD&Cといえども,麻酔管理は大手術と同じカテゴリーで行なつているのは上に述べたような理由による。本稿の内容は,麻酔法のABCを詳述したものではなく,D&Cの麻酔の際の術前から術後に至るまでの管理法と,麻酔法の代表的なものを紹介し,麻酔学的危険度について論じている。
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