特集 産婦人科手術と偶発症
婦人科手術と偶発症—ことに腹式婦人科手術における腸管ならびに尿路損傷とその予防
川上 博
1
Hiroshi Kawakami
1
1東京女子医科大学医学部産婦人科学教室
pp.21-28
発行日 1971年1月10日
Published Date 1971/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204335
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多くの婦人科手術は尿管および膀胱あるいは腸管と関係を有する。炎症性付属器腫瘤,種々の骨盤内子宮内膜症および婦人科腫瘍などは腸管,尿管あるいは膀胱と強固な癒着を営んでいるものがあり,これらの癒着を慎重に剥離する場合でもある程度の損傷を避けることができない場合もある。あるいはまた尿管の走向異常,膀胱の異常な癒着などによつて不注意に損傷を起こす場合もある。
腸管,尿管および膀胱の損傷についてはその予防法,治療法,経過と予後など記述すべき範囲が極めて広いが本項においては紙数の関係上主としてこれらの腹式開腹術と広汎性子宮摘出術以外の手術時における損傷の予防法について述べることにする。
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