特集 症候からみた新生児異常の診断
皮膚の症状
山本 一哉
1
Kazuya Yamamoto
1
1国立小児病院皮膚科
pp.803-807
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204275
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はじめに
母体から独立した生活を開始した新生児にとつて,生活環境の変化ははなはだしいストレスであろう。この非常な変化を直接に感知する部位はまず皮膚であるといえよう。このような時期には母体外生活に適応するように,種々の機能に生理的な変動が現われるが,皮膚もまた例外ではない。したがつて,新生児期(ここでは生後4週間とする)の皮膚に認められる病的変化に対しては,観点を新たにして診療に当る必要があると思われる。
このような時期には皮膚そのものが構造的,機能的に未完成の状態にあり,これを知ることによつて誤りなく皮膚の病的症状を認識しえよう。そのために一応,新生児の皮膚の持つ特徴について簡単にふれておきたい。
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