総合講座 産婦人科と皮膚
新生児の皮膚疾患
山本 一哉
1
Kazuya Yamamoto
1
1国立小児病院皮膚科
pp.831-837
発行日 1974年12月10日
Published Date 1974/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205111
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新生児期およびこれに続く乳児期の患者数が小児皮膚疾患患者中では,もつとも多いという事実がある。すなわち,国立小児病院皮膚科外来の例では,5歳以下の患児が全体の74%を占めているが,その内わけをみると新生児より1歳までが26.8%でもつとも多く,1歳より2歳までが16.4%,両者の合計は43.2%に達している。5歳以上15歳までの期間の患児が総計で26.0%であるのに比較して,新生児期,乳児期にいかに問題が多いか理解されよう。この時期には皮膚自体の形態的ならびに機能的な特徴により,それ以後の小児期や成人にみられる皮膚科学的問題とは同様に取扱うことができない場合も少なくない。しかしながら,新生児期を中心とした系統的皮膚科学ともいえるものは,まだその緒についたばかりという状態である1〜3),ここでも,まず新生児の皮膚科学的特性をしることから始めたいと思う。
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