臨床メモ
テトラサイクリンによる乳幼児の歯の汚染
竹内 久弥
1
1順天堂大学医学部
pp.322
発行日 1970年4月10日
Published Date 1970/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204196
- 有料閲覧
- 文献概要
テトラサイクリンは黄色を呈し,その分子はカルシウム塩と親和性を持つている。そこでカルシウム沈着を起こしつつある歯はテトラサイクリンで汚染される可能性があることになる。
オーストラリアのメルボルン大学歯科のBrearleyら(Med.J.Aus-tralia, 2, 653, 1968)は,1歳半から7歳までの幼小児1,168名の乳歯と永久歯を検査し,そのうちの236名(24.2%)にテトラサイクリン特有のエナメル質汚染を発見しえたという。これらの児とその母親のうち,正確な病歴の得られた98例では,5例が妊娠中の母親への投与であり,その他は出生後の投与であつた。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.