薬の臨床
更年期障害に対するパントクリンの治療経験
大池 哲郎
1,2
,
森川 重正
1
,
鈴木 真矢
1
,
坂井 由宏
1
Tetsuro Ohike
1,2
1名古屋市立大学医学部産婦人科学教室
2名古屋市立東市民病院産婦人科
pp.1105-1113
発行日 1969年12月10日
Published Date 1969/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204138
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緒言
婦人は閉経前後に内分泌障害ないし自律神経失調等に伴ういわゆる更年期障害を呈する者が多いが,その成因は複雑多元であり,未だ議論の多い所である。しかしながら更年期障害が生体の老化現象の一表現であろうことは推測にかたくない。また治療面にも種々の方式で行なわれている現状であり,ホルモン療法,鎮静剤・自律神経安定剤療法,精神療法,間脳レ線照射療法等があるが,現在なお決定的効果を示すものは見当らない。
古来,東洋においては,鹿の硬化していない角を使用し,貧血の治療,疲労回復をはじめとして種々の疾患に効果をあげていたがこの度,その未硬化角より基本的有効初成分を高濃度に抽出したパントクリンの提供をうけ,これを更年期障害患者に使用し,興味ある知見を得たので報告する。
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