症例
反復せる産褥子癇の1例
西川 潔
1
,
久保 智照
1
Kiyoshi Nishikawa
1
1大阪医科大学産科婦人科学教室
pp.705-710
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204083
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はじめに
妊娠分娩および産褥において,突然,全身筋肉の強直性ならびに間代性痙攣を発し,かつ昏睡を伴う子癇は,産科領域におけるきわめて急性重篤なる疾患の一つと考えられている。ことに産褥にみられるものは一般に予後不良のものが多く,晩期妊娠中毒症の本態ならびに治療などに現在なお不明な点が多いところからも,臨床上きわめて興味あるものと考えられる。
もちろん妊娠浮腫,妊娠腎,さらには腎炎に対する早期発見,あるいは治療の進歩などが普及してきた現在,予後良好の経過を示すものもしばしば経験されるようになつた。
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