薬の臨床
いわゆる痙攣性パラメトロパチーを主とする産婦人科領域におけるSpastonの使用例について
矢島 聰
1
,
金田 尚武
1
,
林 仲聰
1
Akira Yajima
1
1東北大学医学部付属病院長町分院産婦人科
pp.357-358
発行日 1969年4月10日
Published Date 1969/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204030
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はじめに
parametropathia spastica に対しては,原因論的に,あるいは病理学的見地から実に60余の名称がある。一般的に考えられている本症の本体は,自律神経系の異常によって,血管の充血,平滑筋の攣縮が起こり,やがては子宮支帯(特に後部子宮支帯)の線維化を来たすものであるとされている。したがつて,自律神経系の調整を行なうのが本症の治療の根本であることは論をまたないが,うつ血,平滑筋の攣縮などを積極的に除いてやることは,特に本症のような疾患に対しては非常に効果的である。
今回われわれは,アトロピンに優る鎮痙効果をもつpastonを本症のほか,子宮卵管造影,月経困難症および子宮内容除去術の施行にあたつて使用する機会を得たので,ここにその成績を報告する。
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