薬の臨床
エンピナースの産婦人科領域における臨床治験
林 義夫
1
,
岩田 都之
1
,
田辺 陽一
1
,
小野 丈夫
1
,
岸本 彦三郎
1
Yoshio Hayashi
1
1北海道大学医学部産婦人科教室
pp.251-255
発行日 1967年3月10日
Published Date 1967/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203669
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はじめに
近時酵素化学の著しい進歩は,ひろく臨床面での適応拡大が明らかとされ,その効果も飛躍的に増強されてきた。すなわち酵素剤はその強力な蛋白分解作用によつて病的壊死組織をはじめ,フィブリン,血栓,凝血,膿汁を分解ないしは溶解し,体液の流通を回復し,炎症ないし浮腫の消退を促し,さらに組織の新生を促進する作用を有し,またさらに毛細血管の透過性をたかめて病巣部への薬剤の拡散を助長せしめる作用が知られてきた。
われわれは今回強力な蛋白分解作用をもつエンピナースを産婦人科領域にて試用する機会をえたので報告する。
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