薬の臨床
6—Dehydro-retro-progesteroneの臨床的応用(第1報)
桑波田 景一郎
1
,
池田 富士雄
1
Keiichiro Kuwahata
1
1鹿児島大学産婦人科
pp.761-763
発行日 1966年9月10日
Published Date 1966/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203561
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はじめに
1920年代に黄体組織より妊娠前期の変化を誘起する物質Progestinが発見され,ついで黄体ホルモン(ホ)結晶の分離,構造式の決定がなされたが,その後黄体のみならず,胎盤や副腎皮質などからも黄体ホ様作用をもつ物質が数多く発見されている。一方近年合成化学の進歩に伴い黄体ホ作用をもつ合成黄体ホの開発も盛んで,19—norste—roidsをはじめとする多数の製品が,流早産の防止,機能性出血や続発性無月経の治療,また排卵誘発,月経の変更などに広く応用されるようになつた。
ところがこれらの製剤はまだ完全なものでなく,男性化作用や体重増加などのほかに,浮腫や面疱などの副作用や,消褪性出血,さらに薬剤によつては強い胃腸症状等をきたすものが少なくない。したがつてこれらの副作用の少ない製品が久しく望まれていた。
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