グラフ
ABO式血液型不適合妊娠の血清学的検査
支倉 逸人
1
1東京医科歯大学法医学教室
pp.501-502
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203505
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母子間のABO式血液型不適合とRh式血液型不適合は,共に不適合児の15%近くが重症黄疸ないし核黄疸の溶血性障害を受けることがわかつてきて,従来は原因不明とされた妊娠末期の胎児死亡および新生児の高ビリルビン血症や脳性マヒのかなりの割合がこれに原因したのではないかと考えられている。
ABO式不適合妊娠の血清学的検査法としては中和法,加熱法,溶血素価測定法など種々の方法があるが,これらと比較した結果,「メルカプトエタノール処理法」によればもつともよく新生児の障害の程度と母血清中の抗体価とが平行することが判つたので,当教室では昭和37年末からこれを日常検査法として採用している。
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