Japanese
English
綜説
酵素から見た子宮内膜の機能
Endometrial fuction as revealed in enzym.
足立 春雄
1
Haruo Adachi
1
1徳島大学
pp.603-607
発行日 1965年8月10日
Published Date 1965/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203308
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まえがき
婦人の特質の一つのシンボルである月経の発来する機序を明かにするために子宮内膜の病理組織学的な研究がHitschmann u. Adler;Schröderら多くの先人によつて追求されていたことは申すまでもなく,組織学的には今日一応の結論にまで達したものの,これら顕微鏡下にみられる現象を引き起すための,より動的でより本質的な解明は残念ながら未だ十分に行なわれていない。
そこで子宮内膜の病態生理を細胞または酵素のレベルで動的に観察することに大きな意義が生じて来た。そのためには先ずi)子宮内膜にある種々な酵素の活性とその消長とを証明すること,ii)子宮内膜が増殖期をへて分泌期に変化するために要するenergyの補給,いいかえると子宮内膜自身の代謝に要求されるenergy供与の実体を知ること,iii)月経発来の機序を酵素学的に解明すること,iv)子宮内膜の病変と内膜酵素の変動を探究することなどを逐一検討してゆかねばならない。
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