Japanese
English
研究 Clinical Research
最近20年間におけるわが教室子宮頸癌患者剖検例の病理解剖学的所見について
On the observation of pathological findings in necropsied patients with carcinoma of the uterine cervix in recent 20 years in our clinic.
井槌 進
1
,
山田 衛
1
,
中並 賀曲
1
,
永田 是信
1
Susumu Izuchi
1
,
Mamoru Yamada
1
,
Yoshisuke Nakanami
1
,
Korenobu Nagata
1
1九州大学医学部産婦人科学教室
1Department of Obstetrics & GynecologyFaculty of Medicine, Kyushu University
pp.937-940
発行日 1963年12月10日
Published Date 1963/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202936
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はじめに
本邦における死亡原因についての厚生省の調査によれば,癌による死亡は,最近脳卒中についで第2位を占めるにいたつている。このように癌による死亡が多いのにもかかわらず,癌患者の剖検に関する記載は,極めて少ない。子宮頚癌は,わが婦人科領域における悪性腫瘍中第1位を占め,その臨床および病理学的統計学的観察については,古来諸家により種々の詳細な報告が数多くなされているが,その剖検に関する報告は比較的少なく,特に本邦においては,僅かに長与,石川,森等の報告が散見せられるのみである。
子宮頚癌の治癒率は,手術,放射線療法の改善進歩ならびに化学療法の研究等によつて近年極めて上昇し,加えて早期診断法の進歩普及により,その早期検出も比較的容易になつたとはいえ,頚癌治癒率も最近限界点に達した感があるとさえいわれ,また本邦においてはまだ末期癌患者治療数がかなり多く,この際,癌によつて死亡した患者の剖検例について調査を試みるのも今後の癌治療に関して何等かの指針を与えうるのではないかと考えつぎのような調査を行なつた。
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