Japanese
English
産科症例 薬剤・1
妊娠悪阻のB-Z注の治療効果
Effect of B-Z injection on vomiting of pregnancy
貴家 寛而
1
,
小笠原 二郎
1
Kanji Kika
1
1福島医科大学産婦人科教室
pp.877-880
発行日 1962年11月10日
Published Date 1962/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202709
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はしがき
妊娠の最初の3カ月の間に悪心,あるいは嘔吐,または両者いずれをも自覚するものは妊婦の約半数あるといわれる。一般にこのような症状は劇しいものではなく軽微ではあるが,何んとなくうつとうしいという感じの障害であり,半ば"あきらめ"に似た気持で過す妊婦も少なくないようである。
このような苦痛,あるいは不快感を緩和する目的で多くの治療法が古くから試みられてきたが,現在においては常に一定した効果を期待しうるものはなかった。例えばphenobarbital系の薬剤の如き鎮静剤,水分の摂取の制限とビタミンの補給などの療法が行なわれ,またかなり重症の場合には臥床,安静,鎮静剤,糖液の静注の如き方法が用いられてきておるが如きである。これらの方法はいずれもある程度の効果をあげることが可能ではあるが,効果が一時的なもの,あるいは全く反応しないものも少なくない。
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