Japanese
English
症例報告
腟嚢腫の2例
Two cases of vaginalcyst
和田 等
1
,
堀田 克介
1
Hitoshi Wada
1
1山口県立医科大学産婦人科学教室
pp.1021-1024
発行日 1961年12月10日
Published Date 1961/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202542
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はじめに
腟嚢腫は腟粘膜下に発生する溜嚢腫であり,Gartner氏管やMueller氏管の痕跡,頚管腺の腟迷入から,または外傷による上皮の陥没などにより発生すると考えられている。本症は通常胡桃大位で鶏卵大以上になることは稀であり,単発性,単房性で,漿液性か粘液性の内容を有する良性小嚢腫であり,比較的稀な疾患とされている。
文献によるとその頻度はNeugebauer,1.9%,Wharton,0.2%,Rost,0.16%,Wilbraud,0.14%と述べており,わが国でも山岡,住吉等は0.13%と報告している。いずれも大体0.2%以下の低い頻度で発見されている。近年安武,武田,山本,原田等はその症例を発表しているが,吾々も最近2カ年間にその2例を経験したので報告する。
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