Japanese
English
症例報告
頸管妊娠の手術前確診例
A case of cervical pregnancy diagnosed before operation
大貫 勇二郎
1
Yujiro Onuki
1
1東京都立大久保病院産婦人科
pp.425-430
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202193
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頚管妊娠は本邦では昭和28年九島氏1)の報告以来近年に至つて瘻々報告され,約20例を見る。がその手術前診断は極めて難しく,従来の報告例でも,絨毛上皮腫の疑が最も多く8例で,他は妊娠3か月と卵巣嚢腫,双角子宮妊娠,頚管の悪性腫瘍,子宮筋腫,奇胎(2例),胎盤ポリープ(2例),頚管流産,筋腫妊娠,胎盤残留,旁結合織内血腫等と診断されている。僅に九島氏2)が最近前回の経験に基づいて内診所見で診断し得た(第2例)のに止まる。
一方外国でも本症は極めて稀なためか診断も困難であり,例えばStuddiford3)の集計(1945)14例でも,7例は流産で,他は頚癌,卵管破裂,前置胎盤,頚管血腫,頚管の類線維腫,妊娠初期,筋腫で妨げられた分娩等である。外国では絨毛上皮腫が少いためか概ね先ず流産と考えられているらしい。
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