Japanese
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薬剤の臨床
エンテロ・ヴイオフォルムの使用経験
Experience with Entero-Vioform
野口 正
1
,
笹川 重男
1
,
馬場 一郎
2
Tadasi Noguti
1
1新潟大学医学部産婦人科教室
2新潟済生会病院
pp.413-416
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202190
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Ⅰ.はしがき
帯下を訴えて来院する患者の大部分を占めるトリコモナス腟炎(以下「トリコ」腟炎と略す)の治療に関しては今日なお未解決の多くの問題を残して居る。婦人科医が日常診療に際して極めて難治であり然も数の多い事に依り悩まされる膣「トリコ」の感染経路,感染様式については幾多の研究に拘らず不明の点が多い。然し多くの学者に依り性交に依り恰かも性病の如く感染する事は確かの様である。
今日その治療方針としてはトリコマイシンK,ペニギンC,エーワ錠等の局所治療,トリコマイシン,アミニトロゾール等の内服薬がある。教室梨本,五十嵐らは既にペニギン,トリコマイシンなどによるトリコモナス膣炎の治療成績を発表しているが,いずれにせよ,治療にあたつては長期且つ連続的使用を要し,石北らも述べているように高価な薬剤の連用は困難な場合もあり出来れば入手容易な廉価な薬剤で効果をあげ得るものを考えていた。今回チバ製品株式会社より,エンテロ,ヴイオフォルムEnterovioformを得て主として,「トリコ」膣炎に使用してその効果を検討したので長期間の観察に欠けるがここにその使用成績を報告する。
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