Japanese
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薬剤の研究
子宮内容除去術に於けるステロイド静脈麻酔剤Viadrilの使用経験
Experiences of intravenoūs steroid anesthesia with Viadril in uterine evacuation
西川 愛
1
,
有光 桂子
1
Mezuru Nishikawa
1
1新三菱神戸病院産婦人科
pp.65-68
発行日 1959年1月10日
Published Date 1959/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201889
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I.緒言
1941年,SelyeはTestosterone, ProgesteroneDOCA等の各種ステロイドホルモンをラッテの腹腔内に注射すると,これ等の種類に依って異るが,抑制又は,麻酔作用を起させることを観察し,興味ある実験として注目されたが,近年ステロイドホルモンに依る臨床経験としてMerryman等(1954)は,Progesteroneの500mgを子宮頚癌患者に,又,その200mgを妊娠せる婦人に静注して,嗜眠状態に陥ることを認め,Pro-gesteroneには,麻酔作用のあることが示唆され,更にLaubach(1955)等は,各種ステロイドに就いて研究し,Selyeの実験で最も麻酔作用の強いPregnanedioneの誘導体でDesoxycorti-costeroneから誘導された21-hydroxypregna-nedione sodium succinate(Hydroxydione)を作った,本剤は麻酔剤として優れて居り,静脈麻酔剤Viadrilとして製品化され,発売されるに到つた。Viadrilは,第1表に示すような構造式を有し,白色結晶様粉末,水に可溶性,非揮発性であり,その水溶液はPH8.5〜9.8でアルカリ性を呈すとされ,1バイアル中に500mgの粉末として封入されている,私は今度Viadrilを子宮内容除去術に使用したので,少数例乍らその成績を以下報告する。
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