Japanese
English
実験的研究
ABO式血液型不適合妊娠による新生児赤芽球症の交換輸血及び核黄疸について
Exchange blood transfusion in erythroblastosis foetalis due to imcompatibility of ABO-blood-type and the kernikterus
新井 大作
1
,
一宮 勝也
1
,
村越 惇七
1
,
大条 景一郎
1
,
横山 三男
2
,
畠山 茂
3
Daisaku Arai
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室
2東京医科歯科大学医学部法医学教室
3東京医科歯科大学医学部病理学教室
pp.945-949
発行日 1958年12月10日
Published Date 1958/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201862
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I.まえがき
Landsteinerが発見したRh式血液型は血清学,遺伝学,人類学及び産科学に非常な影響を与え,各領域において急速な応用発展がなされたが,特に新生児赤芽球症の解明は多くの新生児の生命を救つたことで,画期的なことと云わねばならない。またHalbrecht (1944)は同様な概念をABO式血液型に適応してABO式血液型不適合による新生児赤芽球症を報告した。わが国においてはRh式血液型の不適合例は頻度から考えても,また実際例においても極く少数である。これに反してABO式血液型における不適合はわが国のABO式血液型の頻度からみると相当に存在する筈であるし,松永(1953)はABO式血液型の組合せからの理論値と実測数を比較してABO式血液型不適合による自然淘汰の存在を報告している。
われわれは過去3年間にRh式血液型不適合による新生児赤芽球症4例に交換輸血して成功した。然るにABO式血液型不適合によるもの7例に施行した結果は4例に成功し,3例は核黄疸で死亡した。最近,経験したABO式血液型不適合による新生児赤芽球症の交換輸血も失敗に終り,児は核黄疸で死亡した。
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