Japanese
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薬剤の臨床
産婦人科領域に於けるDioctyl Sodium Sulfosuccinate「バルコゾール錠」の使用経験
Clinical experiences with Dioctyl-Sodium-Sulfosuccinate ("Balcosol" tablet) in obstetrics and gynecology
山崎 敬逸
1
,
藤本 次郎
1
,
曾爾 一男
1
,
江本 幸三
1
Keiitsu Yamazaki
1
1日本大学医学部産婦人科学教室
pp.719-723
発行日 1957年10月10日
Published Date 1957/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201628
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緒言
産婦人科診療に際して,常習便秘,妊婦,褥婦,術後及び環境性の便秘に対して,従来種々の下剤,浣腸に依存して来たが,これ等は不快な副作用と習慣性になり易い欠点があり,改善が望まれていた。
「バルコゾール錠」(以下「バ錠」と略す)はDioctyl Sodium SulfosuccinateとSodiumCarboxymethyl Celluloseよりなる。前者は,高度な表面活性剤で,表面張力,界面張力を著しく低下させ,滲透性,浸潤性,分散能が強く,従来の下剤と異り,腸粘膜に刺戟を与えず,而も充分に消化された便で,何等不快感を伴わず自然の状態で排便を促進する。これは1955年Wilsonand Dickinsonが始めて下剤として用いたもので2mg/kg以下経口投与し,有効であつたと報告している。後者は純良植物性線維として排便を促すものである。此の度「バ錠」を産婦人科領域の種々の便秘に使用する機会を得,好成績を上げたので報告する。
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