Japanese
English
藥物療法
ネオチクロパン静脈麻酔の臨床的観察
Clinical observations on the intravenous Neo-Cyclopan anesthesia
中尾 芳郎
1
,
小林 晃
1
,
大和 誠治
1
,
早坂 聰考
1
,
新井 一司
1
NAKAO YOSHIRO
1
1東京都立豊島病院
pp.257-259
発行日 1957年4月10日
Published Date 1957/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201534
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緒言
現在使用されている静脈麻酔剤としては,チオバルビツール系のチオペンタールとバルビツール系の溶性メチルヘキサビタールが最も多いが,前者は麻酔導入が円滑で術中及び覚醒期の亢奮をみることは少いが,その麻酔作用時間の短いのが欠点とされ,後者はその作用時間は比較的長いが注射直後の痙攣・術中,または術後の亢奮不安動揺が欠点とされている。それ故導入麻酔として使用する場合チオペンタールは確かに便利であるが人工妊娠中絶に於ける如く単独麻酔による手術では稍々作用時間が短かく追加麻酔を要することが少くない。
この両者の欠点を補うためにチオペンタールとメチルヘキサビタールとの併用を試み,その混合剤の優秀性については既に発表(産婦東京部会昭30.12)したが,今回帝国化学産業よりこの両者の混合剤に更に鎮痛剤としてスルピリンを加えたネオチクロパンの提供を受け87例に就いて臨床実験を試み略々結論を得たので,その概要を報告する。
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