原著
Co60による子宮癌患者治療時に於ける室内γ線の線量分布に就て
瀧沢 晴雄
1
,
田邊 盛美
1
,
橋詰 雅
2
1信州大学医学部産婦人科学教室
2信州大学医学部放射線医学教室
pp.894-897
発行日 1955年10月10日
Published Date 1955/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201255
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緒言
ラヂオアイソトープが我が国に輸入され始めてから,未だ日浅く且つその量も少ない為か,障害報告も比較的少ない。然し障害予防の対策を至急立てる必要があることは,論を俟たない。特に大量の高エネルギーγ線を出すCo60に対する防禦は従来のラヂウムの観念からの脱皮を必要とすると思われる。現在迄Co60の体内線量分布については,藤森,山田等の簡単な報告はあるが,大量を体内に用いた場合の治療室又は病室内の線量分布については寡聞にして未だその報告に接しない。吾々はCo60針を子宮癌患者に使用した場合の室内のγ線線量分布を測定したので報告するがこれが患者及び治療従事者に対する障害予防の一指針となれば幸である。
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