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海外文献抄録
性器脱出の原因について,他
Zur Frage der Aetiologie des Genitalprolapsus
A.D.Rendelstein
pp.865-867
発行日 1955年9月10日
Published Date 1955/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201250
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性器脱出の問題については多くの論文が有るがこゝに性器脱出を起す2〜3の点について述べると,先ず膀胱内容の加圧に依つて膀胱下垂を初めに起して来る。即ち膀胱の三角部は腹膜から遊離している為,この部に膀胱脱出嚢を起し易く,尿道起始部が粗嚢になる為に副交感神経の支配を受ける排尿筋が伸展され,自動的に交感神経の支配を受ける膀胱括約筋が弛緩して尿失禁を起して来る。又膀胱下垂は子宮後屈にも影響を及ぼすが,これが性器脱出の直接原因とは関係がない様である。次に妊娠期間中糞便が直腸膨大部に過度に蓄積された場合に腟壁が前方に押し出され腟下垂を起して来る。これは体質的に結合組織が劣勢な場合で特に無力性内臓下垂体質に性器脱出が起り易い。次に潜伏性脊髄破裂,肛門脊髄中枢の障害,脊髄の奇型等の如く骨盤筋群への神経支配に異常がある場合に性器脱出が起る。又粗暴な分娩は泌尿生殖器裂孔の伸展と骨髄筋系統の損傷を起し脱出を誘発するKauflerは性器脱出を起した837例中未産婦が21例で25%であつたことを報告している。又性器脱出は中年以後の肥満型の人に多く,ヘルニヤ,静脈瘤扁平足等を合併していることが多い。
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