診療室
トリコモナス腔炎の臨床的観察特にA-Wa錠による治験
達木 泰爾
1
1長崎県大村市大村市立病院産婦人科
pp.776-777
発行日 1955年8月10日
Published Date 1955/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201229
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緒言
膣トリコモナスは屡々炎症性帯下中に発見されるもので1836年Donnéが始めて記載し無害とされていたが,1916年Hoehnéが腔炎の原因となる事を述べてから注目をひいた。
Trusselは成熟婦人の4〜5人に1人の割で発見されると言い,Labharbtは32.2%,Jacsonは21.4%の発見率をあげ,我が国では,三宅,大賀,福島,打越等の報告があり,飯島は,16.1%松元は18.6%,の率をあげた。私は外来で数年来の頑固な帯下,及び掻痒感を有し,抗生物質(ペニシリン)使用により症状がひどく増悪した患者について,頻回の腔分泌物検査の結果,膣トリコモナスを検出し得て,其の臨床的観察を行い,更に外来新患者に就き無選択的に腔分泌物の検索を行い,腟トリコモナスの感染率と年令及び妊娠との関係に就いて,いささか知見を得たので,此を報告するとともに,トリコモナス腟炎患者に日本衛材のA-Wa錠を使用したので,その治療的効果を併せて報告する。
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