診療室
産婦人科手術特に帝王切開術時のラボナール麻酔に就いて
原谷 熹
1
1和田病院
pp.773-776
発行日 1955年8月10日
Published Date 1955/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201228
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緒言
1934年J.S, Lundyによつて初めて静脈麻酔として使用されたペントサールソーダは,従来のエビパンナトリウムに比し種々の利点を有する事は諸家の等しく認むる所であり,本邦に於ても現今広く用いられており産婦人科領域書於ては主に妊娠初期の人工中絶に利用されている。我女も邦製品[ラボナール」(田辺)を使用し人工妊娠中絶患者113例の術前術後の血圧,呼吸,脈搏の変動肝機能,副作用の有無筆について観察し,すぐれた麻酔法であることを確認したので,現在は之を短時間開腹術,特に腰稚麻酔使用に不安を感ずる腹式帝王切開術,並びに急性貧血の著明な外妊手術に使用しており,その一部を第17回日本産婦人科学会東北地方部会春季総会に於て発表したが,其の後再に例数を重ねたのでまとめてここに報告する。
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