症例研究
全卵を有する卵巣妊娠の1例
佐藤 国喜
1
,
黑沢 一夫
1
,
管埜 恒久
1
1日本大学産婦人科教室
pp.454-456
発行日 1955年3月10日
Published Date 1955/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201170
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緒言
子宮外妊娠は,妊卵の一次的着床部位に依り,卵管妊娠,腹腔妊娠,卵巣妊娠に区別されるが,就中卵巣妊娠は,稀有なる妊娠異常であり1899年Tussenbrockに依り病理組織学的に確実なる1例が報告される迄,真の卵巣妊娠の存在は疑問視されていたが,其の後相次いで比較的多数の報告が見られる様になつた。本邦に於ては,長谷川,岸等の詳細なる報告を始めとして,数10例の報告があるが,我々も最近37歳の2回経産婦に於て子宮外妊娠破裂の診断の下に手術し,卵巣内に妊娠2ヵ月未に相当する完全な胎芽を有する卵巣妊娠の1例を経験したので,茲に報告する。
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