速報
放射性燐P32より見たる副腎剔除幼若雌性白鼠のHohlweg現象について
小林 隆
1
,
唐澤 陽介
1
,
梶原 和人
1
1東京大學醫學部産科婦人科學教室
pp.107-110
発行日 1954年2月10日
Published Date 1954/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200991
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I.緒言
放射性燐P32より見た間腦下垂體性器系に關して著者等は各臓器のP32の相對比放射能(RelativeSpecific Activity, R.S.A.)から幼若雌性白鼠にみられるいわゆるHohlweg現象,即ちエストロゲン投與により黄體新生を來す現象は,ます間腦が刺戟され,以下下垂體,卵巣と下降的に一定の間隔をおいてその刺戟が傳達されることを認めた1)。しかるにその際副腎のR.S.A.に著明な變化が認められ,しかも對照として行つたエストロゲンの溶媒たるマゾラ油のみの注射ではこの樣な變化は認められなかつた。(第1表參照)
この副腎のR.S.A.の變化は卵巣における排卵時と推定される時期に最高に達し,本現象に副腎の何等かの作用が關與する樣に思われる。既に之等に關する種々の實驗が行われており,いくつかの説が擧げられてはいるが,充分なものとは思えない。從つて著者等は同じくP32を用いて兩側副腎を剔除した幼若雌性白鼠について,エストロゲン投與下の各臓器のR.S.A.の變化から,副腎別除のHohlweg現象に及ぼす影響を觀察した。
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