原著
過去1カ年間の吾教室に於ける廣汎性子宮癌全剔出術後の骨盤結合織炎について
加來 道隆
1
,
團師 鎭雄
1
1熊大醫學部産婦人科教室
pp.418-420
発行日 1950年10月10日
Published Date 1950/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200400
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緒言
廣汎性子宮癌全剔出術後には種々の合併症が起り易いが,就中最も頻發し,我々婦人科醫を惱ますものは,骨盤腔の化膿,所謂骨盤結含織炎であろう。本合併症の豫防には之迄幾多の研究業績があるにも拘らず,何れも見るべき効果なく,全く萬策盡きた感があつたが,化學療法の進歩と共に,現今では本合併症も著滅するに至つたことは周知の事實である。又之とは別に,荻野,小林氏等は,本合併症の主因を術後骨盤腔内の潴溜液に求め,夫々特異の創液排除法を考案し,これによる好成績を報告し秦氏も亦化學療法と荻野氏ドレン法を併用して,優秀な成績を修めている。之等に關する最近の發表は,第1表に示した通りである。
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