診療室
推奬すべき手術術式2題
佐伯 政雄
1
1慶應義塾大學醫學專門部
pp.332-333
発行日 1951年8月10日
Published Date 1951/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200524
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まえがき
輓近の治療界を觀るに,サルファ劑,ペニシリン,マイシン等の抗生物質,更に放射能物質の發見等々,正に物理化華的並に抗生物質による治療萬能の觀を呈するも,婦人科が外科の1分科として發達した經路から觀ても,手術的療法が婦人科治療の主要部門なることに變りはない。從つて婦人科醫なるもの常に手術療法の研磨を怠り得ない。一般外科に於ては腦外科,胸部外科等に著しき新分野の發達を見たが,婦人科に於ては近來數10年間に於ける發達は主として其の方法,術式,豫後の改善等に終始し,外科方面の如き新しき進歩の跡は見られない。要するに婦人科的治療の對象たる婦人性器の手術療法は從來既に剰すところなく實施されており,從つて新分野開拓の餘地なきに因るもので,專ら術式の改良による豫後の改善に注目されたものと思われる。そこで術式の改良されたもので終戰後特に多い手術2題に就いて述べたい。
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